■松（マツ）
◇　クロマツ　（黒松　学名：Pinus thunbergii）
◎ 分 類 マツ科マツ属　針葉樹・常緑高木
◎ 特 徴 海岸沿いを中心に白く自生する。乾燥と湿気に強く、また潮風に対する抵抗力もあるので、防風・防潮林として植えられることが多い。大きいものは高さ４０ｍ、直径２ｍ以上になる。樹皮は灰黒色で、幼木では浅く裂けるが、老木になると深い亀甲状に裂け目ができ、やや厚い不規則な鱗片となってはがれ落ちる。４～５月に開花する。球果は翌年の１０月頃に成熟し、長さ５～７ｃｍの卵状円錐形で淡褐色。種子は長さ５～６ｍｍの倒卵形。幹から松やにがとれる。
◎ 分 布 本州、四国、九州
◎ 用 途 庭木、並木、防風・防潮樹、建築・土木・器具材、花材

◇　アカマツ　（赤松　学名：Pinus densiflora）
◎ 分 類 マツ科マツ属　針葉樹・常緑高木
◎ 特 徴 山野にごく普通に見られ、植林も盛んに行われている。乾燥にかなり強いので、尾根筋などによく生える。北は北海道の渡島半島まで植林されている。幹は直立するか、やや曲がり、大きいものはで高さ５０ｍ、直径２．５ｍに達するものがある。樹皮は赤褐色または黄赤褐色で、幹の下部は暗褐色。若木の樹皮は浅く、老木になると厚く亀甲状に裂ける。枝は若木では輪生し、円錐上の樹形になるが、老木の枝は水平にはりだして傘形の樹冠になる。４月頃開花する。球果は翌年の１０月頃に成熟し、長さ３～５ｃｍの卵状円錐形で淡黄褐色。種子は長さ約５ｍｍの倒卵形。松やにがとれ、テレビン油やワニスをつくる。
◎ 分 布 北海道（西南部）、本州、四国、九州
◎ 用 途 庭木、防風・砂防樹、盆栽、花材、建築・土木・器具・楽器材、床柱、パルプ

◇　ゴヨウマツ　（五葉松　別名：ヒメコマツ・マルミゴヨウ　学名：Pinus parviflora）
◎ 分 類 マツ科マツ属　針葉樹・常緑高木
◎ 特 徴 山野に生え、庭などにもよく植えられている。幹は直立し、大きいものは高さ３５ｍ、直径１ｍにぐらいになる。樹皮は暗灰色で、老木になると不ぞろいの薄片となってはがれ落ちる。枝は横にはりだし、若枝はほとんど無毛。５～６月に花が咲く。球果は長さ４～７ｃｍの長卵形で先端はあまりとがらない。種子は倒卵形で、種子より短い翼がある。
◎ 分 布 本州（東北地方東南部以西）、四国、九州
◎ 用 途 庭木、盆栽、花材、建築・土木・器具・楽器・彫刻材
（ 引用 ：　「日本の樹木」　山と渓谷社 1985 ）