平成23年度税制改正 <<所得税>> 1.年金所得者の確定申告不要制度 公的年金等の収入金額が400万円以下で年金以外の所得が20万円以下の者については 申告不要制度が創設されます。 (注) 源泉徴収の対象とならない公的年金等を受ける場合にはこの制度を適用できません。 平成23年分以降の所得税から適用されます。 2.申告義務のある者の還付申告書の提出開始日 所得税について申告義務のある者の還付申告書については、翌年1月1日から提出すること ができます。(従来は2月16日から) 平成23年分以降の所得税から適用されます。 3.金融証券税制 (1) 上場株式等の軽減税率の延長 上場株式等の配当・譲渡所得等に係る10%軽減税率は平成25年12月31日まで 2年間延長され、平成26年1月から本則20%となります。 (2) 少額投資非課税制度の延長 上記軽減税率の延長に伴い、少額投資非課税制度(日本版ISA)も2年間延長され、 平成26年からの3年間となります。 (3) 先物取引に係る雑所得等の課税の特例等の改正 店頭商品先物取引及び店頭デリバティブ取引に係る所得が特例の適用対象になります。 これにより、従来の総合課税から20%申告分離課税となり、市場金融先物取引や市場 デリバティブ取引との損益通算及び損失額の3年間の繰越控除が可能となります。 店頭取引での外国為替証拠金取引(FX取引)(=デリバティブ取引の一種)などが対象 です。 平成24年1月1日以後の取引の決済について適用されます。 4.寄附金税制(公益市民税制)の改正 (1) 認定NPO法人に対する寄附金 新たに税額控除制度が導入され、所得控除制度との選択適用となります。 (a) 対象となる寄附金の限度額・・・総所得金額の40%相当額 (b) 税額控除割合・・・2000円を超える寄附金額の40%相当額 (個人住民税と合わせて50%相当額となります) (c) 税額控除限度額・・・その年分の所得税額の25%相当額 (2) 公益法人等に対する寄附金 以下の法人に対する特定寄附金についても同様の税額控除制度が導入されます。 (a) 公益社団法人又は公益財団法人 (b) 学校法人等 (c) 社会福祉法人 (d) 更生保護法人 5.電子証明書等特別控除の見直し e-Taxを利用した電子申告による税額控除制度について、平成23年分は4000円、 平成24年分は3000円に引き下げた上適用期限が平成24年まで2年延長されます。 6.非課税通勤手当の見直し 交通用具使用者が交通機関を利用するとした場合に負担することとなる運賃相当額まで 非課税限度額を上乗せする特例が廃止されます。 通勤距離が片道15km以上のマイカー通勤等が対象となります。 平成24年1月1日以後に支給される通勤手当から適用されます。 7.金地金等の譲渡対価の支払調書制度の創設 個人が金地金を売買業者に売却した場合、支払金額等を記載した支払調書を税務署長に 提出することになりました。 a) 提出期限⇒支払確定日の翌月末日まで b) 提出の範囲⇒売却額が200万円を超えたとき c) 適用関係⇒平成24年1月1日以後の譲渡から適用