平成23年度税制改正[積み残し法]及び復興財源確保法 <<法人税>> 1.法人税率の引き下げ (1) 法人税の税率が次のように引き下げられます。 普通法人の法人税率 30% ⇒ 25.5% 中小法人の軽減税率 22% ⇒ 19% 〃 (※) 18% ⇒ 15% 公益法人等、協同組合等 22% ⇒ 19% (※)平成24年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する事業年度(特例) (2) 適用関係 平成24年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。 (3) 中小法人の軽減税率についての経過措置 平成24年4月1日以前に開始し、かつ、同日以後に終了する事業年度においては、 軽減税率は18%となります。 2.復興特別法人税の創設 (1) 概要 基本税率又は軽減税率の10%が復興特別法人税として新たに創設されます。 復興特別法人税を合わせた実質的な法人税率は以下のとおりとなります。 基本税率 25.5%+25.5%×10%=28.05% 軽減税率 15%+15%×10%=16.5% (2) 適用関係 平成24年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する事業年度 3.減価償却計算の改正(200%定率法) (1) 概要 定率法の償却率を定額法の償却率を2.0倍した数(現行2.5倍)に縮小され、同時に保証率、 改定償却率も改正されます。 (2) 適用関係 平成24年4月1日以後に取得する減価償却資産から適用されます。 ★経過措置1★ 平成24年4月1日前に開始し、同日以後に終了する事業年度ではその年度中に取得した 減価償却資産につき250%定率法で償却できます。 ★経過措置2★ 250%定率法適用資産について、税務署へ届出すれば200%定率法の償却率による 償却でも、当初の耐用年数で終了できます。 4.欠損金の繰越控除制度の見直し (1) 欠損金の20%課税 青色欠損金及び災害損失金の繰越控除制度における控除限度額が控除前の所得金額の 80%相当額となり、20%は課税されることになります。 ただし、 以下の法人等は適用対象外とされます。 (ⅰ) 資本金の額が1億円以下の普通法人 (資本金5億円以上の大法人の100%子会社等を除く) (ⅱ) 公益法人等又は協同組合等 (ⅲ) 人格のない社団等 平成24年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。 (2) 欠損金の繰越期間の2年延長 青色欠損金及び災害損失金の繰越期間が現行の7年から9年に延長されます。 (注)欠損金の繰越控除は、欠損金の生じた事業年度の帳簿書類等を保存している場合に 適用できます。 平成20年4月1日以後に終了した事業年度において生じた欠損金から適用されます。 5.貸倒引当金の適用法人の制限 (1) 概要 貸倒引当金の適用法人が以下の法人等に限定され、これ以外の法人は貸倒引当金の繰入 れ(個別・一括とも)ができなくなります。 ★★貸倒引当金が認められる法人等★★ (ⅰ) 中小法人等 (a) 資本金の額が1億円以下の普通法人 (資本金5億円以上の大法人の100%子会社等を除く) (b) 公益法人等、協同組合等、人格のない社団等 (ⅱ) 銀行、保険会社その他これらに準ずる法人 (ⅲ) 一定のリース会社等 (2) 適用関係 適用対象外の法人については、平成24年4月1日以後に開始する事業年度以降4年間に わたって限度額の4分の1ずつ減少させるという経過措置が設けられています。 6.寄付金の損金算入限度額の縮小 (1) 一般の寄附金 一般の寄附金の損金算入限度額を現行の1/2の水準に引き下げられます。 損金算入限度額 改正前 ⇒ ( 資本金等の額×0.25%+所得金額×2.5% ) × (1/2) 改正後 ⇒ ( 資本金等の額×0.25%+所得金額×2.5% ) × (1/4) (2) 特定公益増進法人等に対する寄附金 一般寄附金が縮減された分だけ特定公益増進法人等に対する寄附金限度額は拡充され ます。 損金算入限度額 改正前 ⇒ ( 資本金等の額×0.25%+所得金額×5.0% ) × (1/2) 改正後 ⇒ ( 資本金等の額×0.375%+所得金額×6.25% ) × (1/2) (3) 適用関係 平成24年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。