平成22年度税制改正 <<所得税>> 1. 扶養控除の縮減 (1) 15歳以下 子ども手当の創設に伴い扶養控除は廃止されます。 (2) 16歳~18歳 特定扶養控除は廃止され、一般の扶養控除のみとなります(63万円⇒38万円)。 (3) 19歳~22歳 特定扶養控除については従来どおり63万円の控除となります。 (3) 23歳以上 扶養控除(38万円)については変更されません。 (4) 適用年度 所得税は平成23年分以降、住民税は平成24年分以降となります。 2. 同居特別障害者加算特例の改組 (1) 改正前の概要 扶養控除又は配偶者控除の対象となる親族が同居特別障害者に該当する場合、扶養控除 又は配偶者控除の額は通常より35万円(住民税では23万円)が加算されていました。 (加算特例) (2) 改正の概要 加算特例の35万円は、扶養控除又は配偶者控除に加算されず、障害者控除に加算される こととなりました。 (3) 改正の趣旨 年少扶養親族に係る扶養控除が廃止されたことにより、扶養控除に加算するという基本的な 計算体系が維持できなくなったため。 (4) 適用 所得税については平成23年度、住民税については平成24年度より適用されます。 3. 介護医療保険料控除の創設 生命保険料控除限度額は平成24年分より以下の(1)、(2)、(3)の合計額 ( 限度額 12万円 )となります。 (1) 平成24年1月1日以降に締結する保険契約等(新契約) (a) 介護保障又は医療保障を内容とする「介護医療保険料控除」が新たに設けられます。 適用限度額は4万円となります。 (b) 新契約に係る一般生命保険料及び個人年金保険料控除の適用限度額はそれぞれ 4万円となります。 (c) この結果、生命保険料控除は「介護医療保険料控除」「一般生命保険料控除」「個人 年金保険料控除」の3本立てとなり合計12万円(地方税は7万円)まで控除可能となり ます。 (d) それぞれの控除額は以下のとおりとなります。 年間支払保険料等 控除額 20000円以下 支払保険料等(A)の全額 20000円~40000円 (A) × 1/2 + 10000円 40000円~80000円 (A) × 1/4 + 20000円 80000円超 40000円 (2) 平成23年12月31日以前に締結した保険契約等(旧契約) 従前の一般生命保険料及び個人年金保険料控除(控除限度額5万円)を適用します。 (3) 新契約と旧契約のそれぞれの保険契約等がある場合 (一般生命保険料控除及び個人年金保険料控除について) 新契約での限度額と旧契約での限度額の合計額(上限4万円)となります。 4. 寄付金控除の適用下限額の引き下げ (1) 適用下限額の引き下げ 所得控除の対象となる寄附金(=特定寄附金)について、適用下限額が引き下げられます。 適用下限額 : 5千円⇒2千円 (2) 寄附金控除の控除額 寄附金控除額 = 「 次のいずれか低い金額 - 2千円 」 イ その年に支出した特定寄附金の額の合計額 ロ その年の総所得金額等の40%相当額 (3) 適用期間 平成22年分の所得税から適用されます。 5. 少額上場株式等の非課税措置 (日本版ISAの創設) (1) 非課税措置の内容 金融商品取引業者等に非課税口座を開設し、そこで管理かれる上場株式等に係る配当 所得及び譲渡所得については所得税及び住民税が課税されません。 また、譲渡損失については、ないものとみなされます。 (2) 非課税の適用期間 非課税口座開設の日の属する年の1月1日から10年間 (3) 非課税口座 平成24年から平成26年までの3年間の間に開設します。 なお、口座開設者は満20歳以上の人で、開設口座数は1人当たり年間1口座に限られ ます。従って、一人最大3口座まで開設できます。 (4) 非課税限度額 口座開設の日から取得した上場株式等の取得価額の累計額が1口座当たり100万円まで が非課税とされます。 従って、最大3口座×100万円=300万円が非課税限度額となります。 6. 譲渡所得関連(2年間の延長措置) (1) 特定居住用財産の買換え・交換の特例 譲渡資産に係る対価の額を2億円以下としたうえで平成23年12月31日まで2年間延長 されます。 (2) 以下の制度についても同様に平成23年12月31日まで延長されます。 (ⅰ) 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除 (ⅱ) 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除 7. 電子証明書等特別控除 e-Taxによる確定申告書の提出をした場合の5000円の控除の特例が平成22年分まで 2年間延長されました。