未成工事支出金

1.未成工事支出金とは
   未成工事 (未だ完成していない建設中の工事) に集計された原価 (材料費、労務
  費、外注費、経費) を  未成工事支出金 といいます。
   製造業では同様のものを 「仕掛品」 といいます。仕掛品も未成工事支出金も共に完
  成品又は完成工事のための投入された原価を表しています。
   製造業では期末の棚卸資産として製品、仕掛品、原材料等があります。
   一方、建設業においては工事は完成した時点で引渡しが行われ、すぐに完成工事高と
  して収益計上をしますので製造業での「製品」に該当する棚卸資産は通常は存在せず、
  建設業での棚卸資産は、「原材料」 「未成工事支出金」 が主なものとなっております。
2.未成工事支出金計上の意味
   請負工事については通常、工事が完成した時点で 「完成工事高」 として収益に計上
  されます。収益に対応する費用である工事原価についても同様に完成した時点で費用と
  して認識されます。
   これが会計用語でいう 「費用収益対応の原則」 の考え方です。
   つまり、工事施行に伴って発生する工事原価は、完成して初めて収益に対応する費用と
  して認識され、損益計算書において費用(損失)とされます。
   未完成のうちはたとえ工事費用として支出されたとしても 「未成工事支出金」 として
  棚卸資産に含まれ、利益の圧縮要因にはならないことになっています。

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