有価証券

1.有価証券の区分(分類)
   有価証券の区分については法令等により若干異なりますが、税法と会計基準の両者を
  ミックスすれば次のようになります。
  (1) 売買目的有価証券
              ・・・ 売買により利益を得る目的で保有する有価証券
  (2) 売買目的外有価証券
   a) 満期保有目的の債券
              ・・・ 満期まで保有する意図を持って所有する社債その他の債券
   b) 子会社株式及び関連会社株式 (又は関係会社株式)
   c) その他有価証券
              ・・・ 持ち合い株式など取引上の関係で保有する有価証券
                  (子会社株式・関連会社株式を除く)
2.有価証券の評価
 (1) 評価基準の変更(時価法の採用)
    平成12年の税制改正により時価法が採用され、売買目的の有価証券については期
   末の時価で評価し、保有していることによる相場の変動分についても損益として認識、
   計上されることになりました。
    これにより、従来からあった低価法 (時価下落時のみ評価損を計上する方法) はな
   くなりました。
 (2) 有価証券の評価
  ⅰ) 売買目的有価証券については期末時価で評価し、評価損益を洗い替えにより計上
    します。
      ① 評価益を計上する時の仕訳例
         有価証券 ××× /  有価証券評価益  ×××
      ② 評価損を計上する時の仕訳例
         有価証券評価損 ××× /  有価証券  ×××
  ⅱ) 売買目的外有価証券については原価法(取得価額)で評価します。
    (注1) 社債等の債券を額面金額と異なる価額で取得し、その差額が金利に相当する
       場合は償却原価法に基づいて簿価を調整します。
    (注2) 売買目的外有価証券の中の 「その他有価証券」 については法人税法では
       原価法、会計基準では時価法となっていますので注意が必要です。
 (3) 時価が著しく下落した場合の強制低価法
  ⅰ) 市場性のある売買目的外有価証券
     時価が大幅に下落した場合 (取得価額の50%以下) は、回復の見込みがあると
    認められる場合を除き、時価評価により評価損を計上する必要があります。
  ⅱ) 市場性のない株式
     発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したときは、評価損の計上
     (又は簿価の減額) をする必要があります。
3.有価証券の評価方法
  法人税での有価証券の評価方法は次のとおりとなっています。
   (1) 選択可能な方法・・・ 移動平均法又は総平均法
   (2) 届出書を提出しない場合・・・移動平均法
  なお、届出書とは「有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の届出書」をいい
  ます。
4.貸借対照表における表示上の区分
 (1) 有価証券(流動資産)
   売買目的有価証券及び1年以内に満期の到来する社債その他の債券
 (2) 投資有価証券(固定資産)
   上記の有価証券に該当しないもの

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