専従者給与

1.専従者とは
   個人事業者(事業主)が自己の親族を事業の使用人として使用する場合、その労働対価に
  ついて一定の要件を満たす場合に限り事業所得又は不動産所得から一定の額を減額するこ
  とが認められています。
   このような要件を満たす親族を所得税法上 「専従者」 と呼んでいます。
   事業に専従するという意味で 「事業専従者」 とも呼びますが、この項では単に 「専従者」
  と略称します。
   控除できる金額について、白色申告は最高限度額が設けられている一方で、青色申告の場
  合は特別な限度額が設けられていません。
2.専従者給与と専従者控除
 (1) 専従者の労働対価を所得から減額する方法
   専従者の労働対価を控除する方法は、申告方法により以下のようになります。
    (1) 青色申告 ・・・ 専従者給与
    (2) 白色申告 ・・・ 専従者控除
 (2) 専従者給与と専従者控除の違い
    青色申告の場合、専従者への労働対価の支払は他の使用人と同様に給与として扱いま
   す。従って、「専従者給与」となります。
    なお、特に「青色専従者給与」と言うこともあります。(こちらの方が正式名称です)
    白色申告の場合、専従者の事業への貢献度の如何にかかわらず一定の額しか所得から
   差し引くことはできません。従って、専従者への給与という概念はなく、各種所得控除と同様
   に 「専従者控除」 となります。
3.白色申告者の専従者控除
 (1) 専従者控除の額
   専従者控除の額は、以下の (イ) 又は (ロ) のいずれか低い金額となります。
   イ 事業専従者が  (a) 事業主の配偶者 ・・・・ 86万円
                (b) 配偶者以外 ・・・・ 専従者一人につき50万円

   ロ この控除をする前の事業の所得金額を、専従者の数に1を足した数で割った金額
 (2) 白色専従者の要件
   イ 白色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。
   ロ その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。
   ハ その年を通じて6月を超える期間、その白色申告者の営む事業に専ら従事していること。

 (3) 白色専従者控除を受けるための要件
    確定申告書にこの控除を受ける旨、その金額など必要な事項を記載すること。
4.青色申告者の専従者給与
 (1) 青色専従者の要件
   イ 青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。
   ロ その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。
   ハ その年を通じて6月以上の期間、その青色申告者の営む事業に専ら従事していること。

 (2) 青色専従者給与の適用を受けるための要件
   イ 「青色事業専従者給与に関する届出書」 を下記期限内に所轄税務署長に提出してい
     ること。
    (ⅰ) 1月15日まで開業又は専従者を有することとなった場合・・・3月15日まで
    (ⅱ) 1月16日以後に開業又は専従者を有することとなった場合
                 ・・・開業の日又は専従者がいることとなった日から2月以内
    (ⅲ) 提出期限が土・日・祝日等の場合は、その翌日が期限となります。
   ロ 専従者給与の額が下記の要件を満たした妥当な金額の範囲内であること。
    (ⅰ) 労務に従事した期間・性質およびその提供の程度から見て妥当である。
    (ⅱ) その事業に従事する他の使用人の給与と比較して妥当である。
    (ⅲ) 事業の種類や規模が類似する他の事業者と比較し、又はその事業者の規模や収益
       状況などから判断して妥当である。
 (3) 「青色事業専従者給与に関する届出書」
    (ⅰ) 届出書に記載する金額は、専従者給与の限度額ですので無支給でも構いません。
    (ⅱ) その年を通して支給額がない場合は、扶養にすることも可能です。
 (4) 「青色事業専従者給与に関する変更届出書」
    次のような場合には【青色事業専従者給与に関する変更届出書】を税務署に提出します。
    (ⅰ) すでに税務署に提出した「届出書」の金額以上に昇給するとき。
    (ⅱ) 給与の支給日など給与規定を変更するとき。 など

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