引当金

1.引当金とは
  引当金とは、現時点では債務として確定していないが将来において費用又は損失の発生が見
 込まれる場合に、費用収益対応の考え方に基づいて計上される会計上の負債科目です。
  企業会計において、負債科目としては買掛金、未払金、借入金など支払債務として確定してい
 るものが一般的ですが、次期以降に費用又は損失の発生が予想される場合に、その発生原因
 が当期にあるについてはたとえ確定した債務でなくてもその費用(損失)は当期の収益に対応す
 るものである、との認識から費用の計上が要請されます。
  このように収益と費用とを対応させて期間損益を算出するという 「費用収益対応の原則」 の
 観点から計上される未確定の債務が各種の引当金です。
  なお、引当金は金額が未確定であるため、合理的に見積もった額を計上することなります。
2.税法上の引当金
  企業会計原則としては引当金の要件に該当すれば全て計上しなければならないことになりま
 すが、税法においては現在以下の二つの引当金のみが認められています。
    貸倒引当金
    返品調整引当金

  賞与引当金、退職給与引当金(退職給付引当金)、製品保証等引当金及び特別修繕引当金
 の各制度については税法上既に廃止されています。
3.企業会計上の引当金の要件
 企業会計原則では引当金の要件として以下の4要件を掲げています。
  a) 将来の特定の費用又は損失であること
  b) 発生が当期以前の事象に起因していること
  c) 発生の可能性が高いこと
  d) 金額を合理的に見積ることができること

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